僕の一番最初のギターは、親戚の散髪屋さんで働いているお兄さんから貸してもらったクラシックギターでした。京都の山科の散髪屋さんから、僕のお父さんのバイクの後ろに乗って、そのお兄さんのギターをひもで体に縛り付けて持って帰りました(笑)で、最初は全然分からなかったので、クロマチックばっかり弾いていました。何も知らないのでナイロンではなく鉄の弦を張って、チューニングもめちゃくちゃ?そしたらある日、夜中に突然「パーン!」と大きな音が鳴って、家族みんなビックリしてギターを見たら、なんとブリッジが吹き飛んでいました(笑)で、ケーキを持ってお兄さんに謝りに行って。そしたら凄く親切に「全然気にしなくていいよ」と言ってくれました。その後一度僕のおばあちゃんからムスタングを買ってもらって。そのときに僕の母親から「うちは貧乏でお金がないから、これからはお金出してあげられへんから、欲しい楽器は自分で買いなさい」と言われました。それで僕は中1の終わりから新聞配達を始めました。学校終わったら毎日夕刊を配達。なので毎月2万円くらい楽器に使えました。当たり前ですが雨の日も強風の日も毎日やらないといけないんで、ここでコツコツ努力すること、それから時間の使い方を学びました。中2〜高2までで機材に90万円くらい使ったと思います。このお金は全部自分でやりました。18万でFender Twin Reverb のアンプ、10万ぐらいののストラト、高1の時には、21万でその当時の現行GibsonのES335。高2で41万のVintageのES335。ここでヴィンテージの味を知れたのが良かったです。
最初に僕がES335に出会ったのはラリー・カールトン。その当時は、ラリー・カールトンが凄く大好きで、上に書いたように、高校の1年の時(81〜82年あたり)に現行の新しいES335を買いました。当時でも21万ぐらいしました。新聞配達の2万円のローンで。でしばらくしてから楽器屋さんでオールドのES335を見つけました。当時はヴィンテージと言わないでオールドって言ってました。で、弾いたら、もう言葉にも出ない感動!現行品では出ない色気、艶?子供ながらに凄いと思いました。(このES335は、今現在でも持っています。今も弾くと言葉にならない凄さがあって今の新しいES335では残念ながら出ないです。Gibson Custom Shopでもこの同じフィール、同じトーンは出ないです。なので手放せないです。)ここで憧れで終わるのは良く無いと思って、その前に買った現行品のES335を下取りにして、なんとその67年のES335を高校2年で買ってしまいました。このギターは41万あたりだったと思います。現行品のES335を下取りで13万、67年のES335が41万だったんで、残高がまた新たに28万?がんばって2年のローンしました。僕が綺麗な現行品を売って、同じボロボロのギターを買ってきたので、「なんで新品売って、そんな汚い中古買うんや」って親からアホ扱いされました(笑)でもこうやってがんばったから“味の違い”みたいな部分に自分の経験で出会いました。こんな情報はネットや本でいくらでもあります。でも経験は、一生残るし使えます。